いちわん

~ 楽在一碗中 ~
名碗を観る

名碗を観る

贅沢な一冊

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茶碗、筆者、茶室、取り合わせ、それに写真とどれも素晴らしくまことに贅沢な一冊です。

茶碗は長次郎の「無一物」を始め、「ムキ栗」、光悦の「時雨」と「乙御前」、「不二山」、さらに和物茶碗の「卯花墻」、高麗茶碗の「喜左衛門井戸」までどれも名碗と呼ぶに相応しい豪華なラインアップです。

これらがその茶碗に縁がある茶室で拝見しています。

掲載された主な茶碗と茶室は次のとおりです。
 
無一物 ・・ 待庵(利休ゆかり)
ムキ栗 ・・ 武者小路千家 雲龍軒
時雨・乙御前 ・・ 八勝館(所持していた森川如春庵氏ゆかり)
卯花墻 ・・ 三井記念美術館 城山軒(三井氏が所持)
仁清色絵鱗波文茶碗 ・・ 北山美術館 看大(北山謹次郎氏が所持)
細川井戸 ・・ 畠山記念館 翠庵(畠山即翁氏が所持)
古堅手雨漏・蓑虫 ・・ 根津美術館 弘仁亭無事庵(根津青山氏が所持)
柿の蔕茶碗 毘沙門堂 ・・ 畠山記念館 毘沙門堂(この茶碗の入手を記念して畠山氏が建てた)
蕎麦茶碗 花曇 ・・ 谷松屋 一玄庵(松平不昧公ゆかりの茶道具商)
喜左衛門井戸 ・・ 大徳寺古蓬庵 山雲床(所持していた不昧公が寄進した)
 
また「無一物」ですと、利休作の竹花入・茶杓、利休好みの棗や釜といった道具組もぴったりで、これらが目の前にあるような質感もわかる素晴らしい写真で拝見して、取り合わせの妙にわくわくします。

さらに筆者は、焼物研究の第一人者である林屋先生と、小堀宗実遠州流家元、千宗屋武者小路千家家元後嗣の皆さまが楽しく縦横無尽に語り合い、興味が尽きません。

名碗を拝見したくなりましたら、まずこの本を手にとって開いてみるという素敵な本です。
 
 

書籍情報

タイトル
名碗を観る
著者
林屋晴三,小堀宗実 ,千宗屋
出版社
世界文化社
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