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~ 楽在一碗中 ~
栄西と建仁寺展

栄西と建仁寺展

お茶はここから 茶祖、栄西

栄西と建仁寺

東京国立博物館にて「栄西と建仁寺」展を拝見してきました。

今年は建仁寺を開創した栄西(建仁寺では「ようさい」と読みます)禅師の八百遠忌を記念した、大規模な展覧会です。

栄西と建仁寺は、お茶ととても関わりが深く、お茶に関する展示も数多くありました。

会場に入りまして、最初の「禅林の茶」で実際の道具が揃えられた建仁寺の方丈が作られ、四頭茶会の会場がほぼそのまま再現されていて、驚きました。

四頭茶会は、茶道の原形である禅林の茶を象徴し、現代の茶会のルーツと呼べるものです。

方丈の正面には栄西禅師の頂相と龍虎図が掛けられ、三具足と献茶用の天目茶碗/台を載せた螺鈿の台、中央には大きな青磁の香炉と大香合が置かれます。

そして香炉を囲むように、四人一組の客が座り、四頭茶会が始まります。

まずこんにゃくとお菓子を入れた春慶塗の縁高と天目台に載せた天目茶碗を客一人一人に運びます。

その後、左手でお湯の入った浄瓶(じんびん)から客が持ったお湯を茶碗に注ぎ、そのまま右手で茶筅を使ってお茶を点てます。

その様子は会場のディスプレイで拝見することができ、僧侶が薄墨の衣の袂をひるがえしてお茶を点てる姿は、舞の所作のようでした。

 

他の展示では、栄西が中国から茶の種を持ち帰った漢柿蔕茶入が展示されていました。

この茶入が明恵上人に渡されて栂尾でお茶の栽培を行い、日本のお茶が始まったのだ、と思いを馳せました。

栄西が著した「喫茶養生記」の最古の写本も展示してあり、これがかの有名な・・と初めて拝見しました。

今回の展覧会では、四頭茶会、柿蔕茶入、喫茶養生記といったお茶の原点に触れた気がします。

 

また、お茶以外も、国宝「風神雷神図屏風」、若冲の日本画、白隠の書、建仁寺所縁の僧侶の坐像等々と見所が満載で、大変充実した展覧会でした。

 

【参考文献】

【参考サイト】

 
 

●展覧会情報

開山・栄西禅師800遠忌 特別展 栄西と建仁寺
東京国立博物館平成館(東京都台東区)
2014年3月25日~2014年5月18日
http://www.tnm.jp/

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