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~ 楽在一碗中 ~
三井の文化と歴史-茶の湯の名品-(三井記念美術館)

三井の文化と歴史-茶の湯の名品-(三井記念美術館)

伝来の重み

三井の文化と歴史-茶の湯の名品-

三井の文化と歴史-茶の湯の名品-

三井記念美術館にて「三井の文化と歴史-茶の湯の名品-」を拝見して参りました。

開館10周年記念特別展1の前期にあたります。
(後期は -日本屈指の経営資料が語る三井の350年-です)

素晴らしい茶道具で、順を追って説明致します。

まず入館すると、伊賀耳付花入 銘「業平」が迎えてくれます。
続いて続々と名品が並びます。

・狩野探幽下絵 色紙霰松毬鐶付輪口釜 大西浄清作
・黒塗棗は、武野紹鴎好と千利休在判の二つ
・茶杓は、武野紹鴎作・千宗旦筒 銘「ホトトキス」
・茶入は幾つかありまして、特に良かったのは、大名物 唐物肩衝茶入 北野肩衝と薩摩甫十瓢箪茶入 銘「二見」

茶入は、北野肩衝の堂々さと甫十瓢箪のユーモラスなところが好対照でした。

また単独だけではなかなか分からない、利休と紹鴎の棗の特徴が、両者を比較することによって際立つことができました。

上記を拝見した後、黒樂茶碗 銘「俊寛」で一区切りつきまして、如庵写しの展示室へ移動します。

如庵は京都建仁寺から北三井家十代高棟が譲り受けて、1928年に席披きをした現在国宝のお茶室です。

今回ははその席披き時の取合せを展示していました。
こちらも

伊賀耳付水指 銘「閑居」
中興名物 瀬戸二見手茶入 銘「二見」
御所丸茶碗
千利休作茶杓

と名品揃いです。

次の展示室は、掛物の展示で、水墨画、墨跡、歌切(継色紙、升色紙、寸松庵色紙、高野切)と圧倒されます。

その次はメインステージと呼ぶべきで、お茶碗の名品が展示されています。

国宝である志野茶碗 銘「卯花墻」に始まり、三島茶碗 二徳三島、粉引茶碗 三好粉引、呉器茶碗 銘「小倉山」、それに光悦の黒樂茶碗 銘「雨雲」、のんこうの赤樂茶碗 銘「鵺」と各分野の名品が目白押しです。

最後の展示室は「三井家の文雅」と題され、歴代の三井家の方々の絵や書が展示されており、商人だけでなく、文化人としても活躍されていたことが分かりました。
 
 

●展覧会情報

三井の文化と歴史(前期)茶の湯の名品
三井記念美術館(東京都中央区)
2015年4月11日~2015年5月6日
http://www.mitsui-museum.jp/index.html

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