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~ 楽在一碗中 ~
生誕四百五十年記念 細川三斎の茶展

生誕四百五十年記念 細川三斎の茶展

大切に伝える思い

永青文庫

永青文庫

永青文庫の「生誕四百五十年記念 細川三斎の茶」展を観て来ました。

永青文庫は細川家の歴史資料や美術品等の文化財を管理保存するために、昭和25年(1950年)に細川家十六代護立氏(明治16(1883)~昭和45(1970))が創立されました。

建物は細川家の昭和初期の事務所を移築したものです。

椿山荘の隣に位置し、うっそうとした緑の中にあり、新江戸川公園を含めたかつての広大な敷地が偲ばれます。

建物の印象は古い洋館で、展覧室のみかと思いましたら、廊下へ部屋に本棚があり、洋書や漢籍がぎっしり埋まっていました。
洋書は、歴史書の他にバイロンの詩集やイソップの本を見かけました。

展示室は、居室を改造したもので、まるで細川家にお邪魔してコレクションを拝見するような舞台設定です。

今回の展示は「細川三斎の茶」ということで茶道具が中心です。

主な展示物は次のとおりです。

唐物茶入 利休尻ふくら
黒樂茶碗 銘おとごぜ 長次郎作
茶杓 銘ゆがみ 千利休作
茶杓 銘けつりそこなひ 細川三斎作
茶杓 銘さかひ 古田織部作
茶杓 銘安禅寺 小堀遠州作

珍しいものでは千利休作の柄杓がありました。柄杓は茶筅と同じように消耗品で後世に残ることは極めて少なく、初めて拝見しました。

豊臣秀吉により堺に蟄居を命じられた利休を、三斎と織部が危険を冒して見送るほど固い絆の千利休、細川三斎、古田織部の茶杓が並べられていて、記憶に残りました。

お茶の師(利休)と兄弟弟子(三斎・織部)、茶人の思いが最も込められた茶杓になって四百年後に集まることができたと感じました。

他の美術館では人の手を経て伝えられた茶道具が多いのですが、ここでは細川家ご当主が同時代の方々から受け取った茶道具を大切に現在まで伝えて来たという印象です。

貴重な美術館だと思います。

 

展覧会情報

永青文庫「生誕四百五十年記念 細川三斎の茶」展

名称
春季展示「細川三斎の茶」
会場
永青文庫美術館(東京都文京区)
会期
2013年3月30日~2013年6月23日
公式サイト
http://www.eiseibunko.com/

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