いちわん

~ 楽在一碗中 ~
組むたのしみ(藤田美術館)

組むたのしみ(藤田美術館)

冴えわたる四季の取合せ

組むたのしみ(藤田美術館)

組むたのしみ(藤田美術館)

藤田美術館にて「組むたのしみ」を拝見して参りました。

今回は、美術館の名品を用いて四季の取合せを中心の展示でした。

季節を追って説明致します。
 

春の取合せ

桃や「わかくさ」、兜、蛤で春を表します。

・交趾桃香合 銘「みちとせ」
・備前緋襷肩衝茶入 銘「わか草」
・茶杓 銘「東方朔/藤の裏葉」 利休作
・黄瀬戸兜皿
・蛤形向付 慶入作

夏の取合せ

瀧の軸、花入、水指で涼しげです。
水指は黒釉に瀧のように白釉が流れています。
砂張でできた平舟花入に水を溜めこちらも涼しさを演出します。

・瀧山水図 伝祥啓筆
・竹花入 銘「那智」 覚々斎宗左作
・珠光青磁茶碗 銘「青簾」
・茶杓 銘「筧」 松平不昧作
・朝鮮唐津津呉形水指 銘「廬瀑」
・南蛮砂張平舟花入

秋の取合せ

軸、茶碗、茶杓で秋の月を表現します。
兎、芋頭、菊も秋の風物です。

・月下兎図 柴田是真筆
・砧青磁茶碗 銘「満月」
・茶杓 銘「仲秋」 覚々斎宗左
・南蛮〆切芋頭水指 銘「秋の月」
・菊花紋蒔絵香合

冬の取合せ

雪の文、霜夜で寒さを感じます。
そして埋火、年忘れで大晦日を思い浮かべます。

・祥瑞蜜柑香合
・雪の文 千利休筆
・古瀬戸分琳茶入 銘「霜夜」
・赤樂茶碗 銘「埋火」 宗入作
・茶杓 銘「年忘れ」 千宗旦作

 

このような素晴らしい取合せを拝見しますと、取合せがお茶の醍醐味ではないかと思います。

もし自分が茶事の亭主だったら・・とわくわく致します。

もちろん手元の道具でここまで揃えることはできませんが、何かポイントとなる道具を使って取合せにチャレンジしてみたいです。

季節の取合せとは別に、次のお茶碗も素敵で、お茶が一服いただきたくなりました。

・御所丸黒刷毛茶碗 銘「緋袴」
・本手利休斗々屋茶碗
・古井戸茶碗 銘「老僧」

 
 

展覧会情報

名称
組むたのしみ
会場
藤田美術館(大阪市都島区)
会期
2015年3月7日~2015年6月14日
公式サイト
http://www.city.okayama.jp/museum/fujita/

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