三重苦の数寄者
三重苦とは作者曰く、「無作法、無器用、無教養」とのことで、その三重苦の作者が、お茶のお稽古を始めて、二年経ってお茶会を開催するまでの顛末が書かれています。(数寄者は、ここでは、「すきもの」と読みます)
作者は、第3回「海燕」新人文学賞を受賞した作家で、とにかく強烈なお稽古振りです。
点前をすっかり忘れても「明鏡止水」の心境で平然とし、懐石料理ではお刺身をミンチにし、点前中に足が痺れて点前座で胡座をかく等々、くらくらするようなエピソードが一杯です。
お茶のお稽古というと堅苦しくて厳粛なものなのでは・・と思っていたところにこの本を読みまして、そうでもないということが分かりました。
(もちろん実際はこれほど強烈ではないです)
私のように、お茶のお稽古は・・と思っていらっしゃる方にお勧めします。
この本に登場します「天使」さんは、その後フリーランスの編集者になりまして、現在も元気に活躍していらっしゃいます。
書籍情報
- タイトル
- 数寄者日記―無作法御免の茶道入門!
- 著者
- 小林恭二
- 出版社
- 淡交社
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