相手に合わせたおもてなし
作者の山下恵光氏は、表千家の宗匠で光悦寺のご住職です。
この本は、以前お書きになった「四季の茶の湯 ― 茶のある暮し」の続編です。
山下氏はお茶に携わって長く、この本はその経験と知識に基づいて、お茶に関して広く深くお書きになっています。
どこから読んでも面白く、勉強になります。お勧め致します。
特に印象に残りましたのは、お茶席で言葉にしなくても、ここで総礼、ここで次客へ一礼、ここで亭主に一礼・・で進められますが、これが「たまたま同席した何も知らない人達には、その無言の一座が何とも窮屈な世界になってくる」という一文です。
私は言葉を使わず以心伝心することこそお茶・・と思っていましたが、言われてみれば独善的で、知らない方にはおもてなしになっていないと気がつきました。
もし気に入っていただけましたら、前編の四季の「茶の湯 ― 茶のある暮し」もお勧めします。
光悦寺は、お茶会がないときに訪れたことがあり、山に囲まれた静かなお寺でした。
お茶室が多くあり、光悦会ではさぞ多くの人が訪れ、お茶を楽しむのだろうなと想像しました。
書籍情報
- タイトル
- 四季の茶の湯 〈土用〉 ― 茶のある暮し
- 著者
- 山下惠光
- 出版社
- 平凡社
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