自宅に茶室を
お茶会をするにも施設を借りてではなかなか実現できず、自宅に茶室があれば・・と多くの方が思っていらっしゃることでしょう。
お茶室は、四畳半を基本に花月に適した八畳、侘びた三畳が一般的な広さです。
ところが住宅の和室は六畳が多く、いざ茶室にしようとする改築が必要となり、はたと悩んでしまいます。
この本は、著者の岡本氏が自宅マンションの六畳の和室を茶室に改造したときの体験談が中心です。
岡本氏も四畳半の茶室に改造しようか検討しましたが、次の理由で六畳のままの茶室としました。
・四畳半・八畳の正方形から三畳台目の長方形へ変化しており、六畳の長方形もその延長概念でとらえることができる
・裏千家では六畳は大炉の間でややくつろいだ感じがし、居住空間にも通じる
・親しい仲間五人を呼んでも狭い感じがしない
これを読んで、「六畳でも茶室ができる」と茶室作りのハードルが一気に下がりました。
またマンションで問題となる炉や床のの問題も岡本氏はクリアしています。
特に炉は、床下が浅い分電気炉も難しいところ、炉壇(深さ118mm)、炉縁(高さ30mm)、五徳(高さ97mm)といった特注品を組み合わせて、炭を使えるようにしました。
床は、マンションの配管を避けた釣床とし、少し畳に入りこんだ置床とし、高さが足りない分は軸巻上で軸の長さを調整しています。
他にも水屋や待合、それに実際に茶会や茶事を行う場合の動線の工夫も書かれています。
これから茶室を作ろうとしている方、特に自宅の部屋が六畳なので茶室への改造を躊躇している方にお薦め致します。
一人でも多くの方がご自宅に茶室を作り、お茶に親しめる環境が実現できればと思います。
書籍情報
- タイトル
- 茶室手づくりハンドブック
- 著者
- 岡本浩一.飯島照仁
- 出版社
- 淡交社
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