いちわん

~ 楽在一碗中 ~
お茶の本

椿をいける―百種百様

椿の種類は・・

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作者の永井先生は、裏千家の業躰を長く務めていらっしゃって、茶花の本も何冊もお書きになっています。

この本は、椿の生け方とその種類を紹介しています。

生け方は、炉開き、初釜、利休忌・・といったように、茶会のテーマ別にも写真が掲載され、大変勉強になります。

椿の種類は、ト伴、侘助、岩根絞、太神楽、曙、宗旦、加茂本阿弥・・とざっと二百種掲載されていまして、その多さに驚きます。
(品種はもっと多いと聞いたことがあります)

炉の花の中心は椿で、椿を勉強されたい方にお薦めします。

炉の季節になりますと、茶会やお稽古の折りに、椿の名前をお聞きするのですが、いつまでたっても覚えられないです・・

 

書籍情報

タイトル
椿をいける―百種百様 (決定版 茶席の花)
著者
永井宗圭
出版社
淡交社
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くらべて覚える風炉の茶道具・炉の茶道具

比べて納得

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炉と風炉で、使う道具や扱いが異なる場合があります。

この本は、炉と風炉の場合を比較して、その違いと理由を解説しています。

五徳・釜・炭斗・香合といった炭手前関連が中心で、棚・蓋置・花・茶事の順番・・と取り上げられています。

羽箒や柄杓など、写真で比較して理由を聞けば、なるほどと納得し、覚えやすいです。

全ページカラー写真も綺麗で、お勧め致します。

半年ごとに炉と風炉の季節が入れ替わり、お点前等々リセットされてしまいます。

その都度新鮮な気持ちで臨め・・よく考えられたシステムと感心致します。

 

書籍情報

タイトル
くらべて覚える風炉の茶道具 炉の茶道具
著者
淡交社編集局
出版社
淡交社
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茶人の花押

茶人のサイン

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茶道具の箱書や手紙にマークのようなサイン(花押)が書かれている場合があります。

この本は、茶人の花押を集めたもので、各茶道流派の歴代家元、禅僧、武人・大名、近代の茶人等およそ三百人分が掲載されています。

花押と筆者だけでなく、どのような字から花押を作ったかも書かれているので、興味は尽きないです。

花押について勉強されたい方に、ぜひお勧め致します。

三好政康や伊達政宗の花押は鳥の絵のようでとてもキュートです。興味がありましたら、ご覧くださいませ。

 

書籍情報

タイトル
茶人の花押
著者
小田栄一
出版社
河原書店
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茶の箱

持ち運ぶ楽しみ

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この本に登場する茶箱は、茶道流派の茶箱ではなく、お茶を飲むためにと五人の作家が協力して作り上げたものです。

茶箱の形だけでも、四角、丸、桃・・とさまざまな形があります。

そこに収まる、茶碗・茶入・茶杓・菓子器等もいろいろな形があり、どれもが美しい裂の仕覆で包まれ、写真を見ているだけで、ため息が出ます。

どの道具もこの企画のためのオリジナルで、特に裂地は、ヨーガン・レール氏がデザインして織りから新しく考えたとのことで、驚きました。

また、作家同士の対談で茶道についての対談もあり、なるほどとと拝読しました。
茶箱に興味がある方にお勧め致します。

私もいつかはこのような茶箱を手元に置きたいと思っていたところ、縁があって、赤木氏がプロデュースした茶箱が手元に来ました。

作家は、赤木氏、内田氏、長谷川氏、ヨーガン・レール氏とこの本のとおりですが、全てがオリジナルではなく、茶箱以外は、既に作ったものを取り合わせたとのことです。

どこへ持ち出してお茶を点てようかとと思案しています。

 

書籍情報

タイトル
茶の箱
著者
赤木明登,内田鋼一,長谷川竹次郎,ヨーガンレール,安藤雅信
出版社
ラトルズ
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お茶を楽しむために

お茶の奥深さ

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三田富子先生は、取り合わせの本「茶会の楽しみ―茶室空間の工夫と演出」を書いていらっしゃいますが、この本はお茶に関するエッセーです。

エッセーとはいっても軽い話だけでなく、お茶の本質・奥深さが書かれていると思います。

読みますと、自分の様子を思い出して反省し、そのとおりと合点し、なるほどと納得致します。

その中の一文を紹介します。

「お茶とは、真心込めて人をもてなし、その人の心にふれることで、自分の本来の人間性をはっきりと認識することなのであろう」

お茶をされる皆さまにお勧め致します。

三田先生の本を拝読しまして、師である鈴木宗保先生の偉大さを感じます。
生前、一度お会いしたかったです。

 

書籍情報

タイトル
お茶を楽しむために
著者
三田富子
出版社
淡交社
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お茶事

茶事を知らずして

2013_b022_01「茶事を知らずしてお茶を語るなかれであり、茶事を経験せずして茶人の資格はないのである」とこの本にあります。

この本は、茶事の概説に始まり、茶事七式(正午、朝、夜咄、暁、飯後、不時、跡見)に、特殊の茶事(口切り、一亭一客、夕ざり、茶飯釜・・)とあらゆる茶事について書かれています。

写真や図がなく、ちょっととっつきにくいですが、茶事の根本を勉強したい方にお勧め致します。

この本に「昭和十五、六年ごろまでは、毎月五、六回以上もお茶事に招かれたし、一年に五、六回以上は茶事の亭主をした」とありまして、羨ましいと思いました。

茶事は、亭主も客もそれに裏方も楽しいお茶のイベントです。

ぜひ何らかの役で参加していただいて、この本を手にしてくださればと思います。

 

書籍情報

タイトル
お茶事
著者
佐々木三味
出版社
淡交社
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茶会の楽しみ

工夫さまざま

2013_b021_01この本は、茶事・茶会での道具の取り合わせについて書かれています。

取り合わせの達人である作者の三田先生を始め、いろいろな方が、さまざまな季節やシチュエーションで、道具の取り合わせを工夫し、楽しんでいらっしゃいます。

高価なものでなくても、工夫次第で楽しいお茶会ができるということが勉強できます。

また、全ページがカラー写真で、見ているだけでも楽しいです。

自分でお茶会を・・と考えていらっしゃる方にお勧め致します。

三田先生とご縁があって、手紙をいただいたことがあり、その中で「あなたの家の近くに住んでいたとき、地主さんと同じ苗字」と教えていただきました。

母に尋ねたところ、かつて母の土地を使っていただいたということが分かり、不思議なご縁に驚きました。

 

書籍情報

タイトル
茶会の楽しみ―茶室空間の工夫と演出
著者
三田富子
出版社
淡交社
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茶席の禅語大辞典

禅語はこの一冊

2013_b020_01稽古や、茶事・茶会へ行きますと、禅語が書かれた軸が掛かっている場合が多いです。

読み方をお聞きしても、意味や出典まで聞きそびれたり、忘れたり・・

そのような時に役立つのが、この禅語大辞典です。

原文(漢文)、読み下し、出典、類語、意味と丁寧に、約六千語が掲載されていて、禅語の集大成と思います。

しかも検索が、読み方のあいうえお順だけでなく、字数やキーワード(慶事、季節、鶴、梅・・)でも可能で、うる覚えでも探すことができ、重宝しています。

百科事典のような大きさと重さで、持ち歩いて読む、ということは難しいですが、禅語を調べるときに頼りになり、お勧めいたします。

六千語が集められていても、掲載されていない軸を拝見することがあり、禅語の奥深さを感じます。

 

書籍情報

タイトル
茶席の禅語大辞典
著者
有馬頼底
出版社
淡交社
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茶の結び緒

いろいろな結び方

2013_b019_01先日の本 ( 茶道具 しまい方の基本 ) にも、道具箱の結び方が書いてありましたが、この本は、お茶のいろいろな結び方を集めたものです。

茶入の短緒・長緒に始まり、茶碗(真の結び)、茶壺(真行草)、帛紗包、御所籠、茶掃箱、道具箱、関守石と実に多彩です。

この本も手元に置くことをお薦めします。

この中で、なんとか結べるのは、茶入、帛紗包、道具箱で、他はできず、改めて勉強不足を感じました。

以前、区のお茶会で、この本の作者という男性の方にお会いしたことがあります。

 

書籍情報

タイトル
茶の結び緒
著者
淡交社編集局
出版社
淡交社
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茶道具 しまい方の基本

勉強する機会が少ない、しまい方の本

2013_b018_01稽古場でお点前は毎回習いますが、お茶道具のしまい方は習う機会が少ないです。

稽古の途中で抜けたり、最後までいても、先生や先輩方が道具を率先して片付けてしまう場合が多く、なかなか手が出せないです。

また、手伝うことができても、短時間でしまうため、細かいことが訊きにくいです。

そこで、役に立つのがこの本で、火の始末、床の間のかたづけ、点前道具のかたづけ・・と道具一つずつに写真と丁寧な解説がなされ、片付け方・しまい方がよく分かります。

自分の道具を持った時にも大変重宝しますので、ぜひお手元に置かれるよう、お勧め致します。

この本の撮影は、著者の入江先生宅で行われたと聞きました。当初、お茶を知らないモデルさんを使おうとしたところ、どうにも茶道具を扱う所作がさまにならず、急遽、先生のお弟子さんが写真のモデルになったとのことです。

また最近入江先生は、「イラストでわかる 水屋の準備と後かたづけ (淡交社:2012/2/29)」を出版され、こちらは写真ではなくイラストで水屋での動きを説明しています。

 

書籍情報

タイトル
茶道具 しまい方の基本
著者
入江宗敬
出版社
淡交社
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