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~ 楽在一碗中 ~
谷庄「茶入」展

谷庄「茶入」展

手に触れる美術館

案内状

案内状

銀座の古美術店、谷庄で開催されています「茶入」展を拝見して来ました。

谷庄は、金沢の老舗の主に茶道具を扱う古美術店で、本店とは別に銀座に東京店があります。

東京店では年に数回展覧会を行い、夏は毎年一つのテーマのもとに茶道具が集まります。今までは、茶杓、炭道具、懐石道具・・と行われてきました。道具商の方から詳しい説明を聞くことができ、手に触れることもできまして、毎年楽しみにしています。

今回は茶道具のメインの一つである茶入の展覧会です。
展示は、茶入を一つ置くのではなく、仕覆や箱書といった次第も添え、茶碗や茶杓を添えているものがあり、次第の楽しみも味わえ、茶席の様子も思い浮かべることができるように工夫されています。

茶入は案内状にあるようなオーソドックスな古瀬戸の肩衝から次のようにバラエティに富んだ品揃えでした。

[形] 肩衝、広口、鮟鱇、丸壺 等
[窯分] 古瀬戸、金華山、瀬戸、島物、国焼(織部、備前、高取) 等
[手] 落穂手、飛鳥川手 等

今回、たまたま根津美術館の学芸員の方が、仕覆の裂地の説明をされるイベントに巡り会いました。

金襴、緞子、間道、錦、紹巴、風通・・と実際に茶入に添っている仕覆を拝見しながら、貴重な話をお聞きし、楽しく勉強することができました。

特に印象的でしたのは、かささぎと梅の文様の「清水裂」で、中国語で「かささぎと梅」の発音がおめでたい言葉を表し、吉祥文になったということで、古の茶人のセンスの良さに感心しました。

帰ってから清水裂を茶道辞典で調べたところ「濃紺の繻子地に梅花を白、枝を黄茶で出し小禽を配する」とあり、中国語の話題は掲載されておらず、専門家の知識の深さを再認識しました。

茶道具店といいますと敷居が高く感じますが、このような展覧会ですとお店に入りやすく、話もききやすいので、お勧め致します。

また、タイミングが合えば、美味しい金沢のお菓子とお抹茶をいただけて、落ち着いた時間を過ごすこともでき、併せてお勧め致します。

 

展覧会情報

名称
「茶入」展
会場
谷庄 東京店(東京都中央区)
会期
2013年6月28日~2013年7月6日
サイト
http://www.art-index.net/tanishotokyo.html

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