堂々たる唐物の世界
三井記念美術館にて「東山御物の美」展を拝見してきました。
東山御物とは、足利義満らによって収集された将軍家のコレクションの美術品で、今回は唐物を中心とした展示です。
第一室に入るとまず唐物大海茶入「打曇」で、たっぷりと大きく堂々とした茶入です。
次が「初花よりもめづらしきかな」と命銘された唐物肩衝茶入「遅桜」で、こちらも堂々としており、二つとも将軍の茶入という印象です。
他には、根津美術館でも拝見した青磁輪花茶碗「馬蝗絆」に再開でき、青磁中蕪花瓶、玳被盞 鸞天目茶碗、第二室の国宝の油滴天目茶碗と唐物がずらりと並んでいます。
特に、玳被盞天目茶碗の見込に描かれた二羽の尾長鳥が美しく、しばし見とれてしまいました。
いつもは茶道具が並ぶ如庵写しの茶室に、今回は書院飾りをイメージして、硯屏、硯、筆、墨、水注といった文房具が展示されていました。
第四室は唐絵が並びます。
山水図、布袋図、寒山拾得図と墨絵の中でひときわ目立つのが、国宝の「紅白芙蓉図」で、ささやかな色遣いの紅と白の美しさに惹かれます。
その他にも唐物を中心とした名品が並び、唐物肩衝茶入「北野肩衝」、青磁筍花瓶、青磁香炉、屈輪文堆黒盆、屈輪文犀皮香合、唐物茶壺「夕立」、唐絵の叭々鳥図などが展示されていました。
よく拝見する侘び茶とはちょっと違った「東山御物」の世界を堪能できました。
●展覧会情報
特別展 東山御物の美
三井記念美術館(東京都中央区)
2014年10月4日~2014年11月24日
http://www.mitsui-museum.jp/index.html