織部と宗箇の絆
銀座松屋で開催されました「没後400年 古田織部展」を拝見して参りました。
今年は古田織部(1544-1615年)が没してから400年ということで、織部ゆかりの茶道具を中心とした展覧会です。
「織部の時代」という章では、織部がいた時代・桃山時代の様子も俯瞰しようということで、屏風や小袖、甲冑、銚子、書籍、書状・・とさまざまなものを展示しており、織部時代に対するイメージが膨らみました。
「織部の茶の湯」という章では、織部所有の硯や織部焼を始めさまざまな茶道具が並びました。
特に惹かれましたのは、
織部作の茶杓
備前・伊賀の花入
御所丸茶碗
瀬戸黒茶碗
志野茶碗 銘小倉山
鼠志野茶碗 銘横雲
大西浄清作 鷺地紋車軸釜
黒織部茶碗
織部が指導した
薩摩焼肩衝茶入 銘サイノホコ
織部肩衝茶入 銘喜撰
といった茶道具です。
特に黒織部茶碗は高台脇に織部の花押が鉄絵で描かれたと言われる貴重なものです。
その後の「織部の世界」という章では、いよいよ織部焼の茶道具が並びます。
代表的なものは、
織部耳付茶入 銘餓鬼腹
織部香合
黒織部茶碗
織部向付
織部瓢形振出
織部扇形蓋物
織部木瓜形蓋物
織部手付四方形鉢
織部州浜形手付鉢
で、特に四方形鉢は鴻池家伝来の秀作でした。
織部の焼物は、向付のような一揃えでも同じ文様を拝見したことがなく、何度出会っても不思議に思います。
また会場中央には、織部の高弟であった上田宗箇ゆかりの茶室の写しが作られ、宗箇流若宗匠のお点前のビデオが流されました。
織部のお茶は、織部流として伝わっているようですが、この展覧会では、織部の弟子の上田宗箇のお茶を取り上げまして、織部と宗箇の絆の強さを感じました。
宗箇流のお点前は、武家流ということで、侘びておらず、式正な印象を受けました。
●展覧会情報
没後400年 古田織部展
銀座松屋(東京都中央区)
2014年12月30日~2015年1月19日
http://www.matsuya.com/m_ginza/