鉄の魅力
お茶の本の中でも珍しいお釜の本です。
作者は千家十職の釜師の十六代で、次のように盛りだくさんの内容です。
・鑑賞・茶の湯の釜 →名品の紹介
・大西家の歴代と作風
・釜の見所 →釜の形の分類と釜肌・地文・鐶付等パーツの解説
・茶の湯釜誕生 →釜の歴史
・その他:釜の作り方、大西家歴代の称号・落款、釜師の系譜、釜の手入れ方法等
広範囲に分かりやすく書かれており、作り手ならではと思います。現役の釜師が書かれた本は他にはなく、お勧め致します。
鉄は固くて壊れずずっと変わらないものというイメージでしたが、作者は「鉄の魅力は朽ち果てることで、朽ちることにより「侘び味」「やつれ」という味わいがでてくる」と書いていまして、それもまたお茶と納得致しました。
釜を展示している展覧会はそれほど多くなく、興味を持たれて釜を拝見したい場合には、作者が館長をしています「大西清右衛門美術館」をお勧めします。
書籍情報
- タイトル
- 茶の湯の釜
- 著者
- 大西 清右衛門
- 出版社
- 淡交社
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