いちわん

~ 楽在一碗中 ~
わかりやすい高麗茶碗のはなし

わかりやすい高麗茶碗のはなし

高麗茶碗の勉強に最適

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作者は、京都の野村美術館の館長で、今までにも高麗茶碗の本を出版されたことがあり、雑誌「淡交」に書いた連載記事をまとめたのがこの本です。

内容は、高麗茶碗と何かという「高麗茶碗のあらまし」から始まり、
「分類で知る高麗茶碗」では後述するように細かく分類して説明し、
「高麗茶碗の写し」では、取り上げることが少ない、日韓現代作家を含めた写しについて書いています。

分類は次のとおりで、どれも謂れや特徴がカラー写真とともに丁寧に分かりやすく解説されています。

祭器系  ・・井戸、呉器
青磁系  ・・雲鶴と狂言袴、伊羅保と柿の蔕
白磁系  ・・堅手と熊川、雨漏と玉子手、割高台と金海
粉青系  ・・三島、刷毛目と粉引、斗々屋と蕎麦
借用窯系 ・・彫三島と立鶴、御所丸と猫掻手
倭館窯系 ・・御本

ここで、「借用窯」と「倭館窯」は、いずれも対馬藩が朝鮮半島の釜山に作った倭館で焼いたもので、今までは倭館窯でひとくくりにされていましたが、著者は、倭館窯のうち、専用ではなく高麗向けの窯を使用した場合は「借用窯」、日本向けの茶碗専用の窯を「倭館窯」と分類しています。

高麗茶碗の研究は、現在でも進んでいまして、例えば分類に挙げた「借用窯」も新しい概念で、他にも、茶碗の産地といった新しい研究結果が反映されています。

また「韓国の茶文化と茶碗」、「なぜ茶の湯では高麗茶碗が好まれるか」といった興味深いコラムも盛り込まれて、高麗茶碗を勉強したい初学者から中級者まで広くお薦め致します。

 

書籍情報

タイトル
わかりやすい 高麗茶碗のはなし
著者
谷晃
出版社
淡交社
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