静かな音楽が流れる絵
Bunkamura Box Galleryにて、有元利夫版画展を拝見してきました。
有元利夫氏(昭和21(1946)~昭和60(1985))は、疎開先の岡山県津山市で生まれた洋画家で38歳という若さで惜しまれて亡くなりました。
有元氏の絵の特徴は、イタリアのフレスコ画の宗教画のようで、以前書籍の表紙で拝見して、ファンになりました。本格的に拝見したのは2010年の東京都庭園美術館で開催された「有元利夫展・天空の音楽」展で、この展覧会ではあたかもヨーロッパの館に来たようで有元氏の世界に浸ることができました。
没後28年を経て、拝見する機会が減っていて、今回楽しみにして来ました。
今回、お茶とは直接関係はないのですが、有元氏の絵は侘びた雰囲気があり、お茶席に掛けることができるのではと、お伺いしました。
版画で二十五点と数は少ないのですが、どれもすばらしく、特に葉書に取り上げられた「春」と珍しく黄色中心の「遊戯」に心惹かれました。
他にも稲垣足穂氏の「一千一秒物語」、「7つの音楽より」のシリーズの絵が展示されていました。
有元氏の絵を拝見していると、音楽が聞こえるような不思議な感覚がします。どの曲とは挙げられないですが、静かなクラシックの曲をイメージしています。
お茶席は、釜鳴り、茶筅の音、足袋の摺り足といった音を大切にするので、音楽を流すことはできないですが、有元氏の絵を床に掛けて、静かな音楽をテーマにした茶会を実現してみたいとふと思いました。
展覧会情報
- 名称
- 有元利夫版画展
- 会場
- Bunkamura BoxGallery(東京都渋谷区)
- 会期
- 2013年6月11日~2013年6月20日
- 公式サイト
- http://www.bunkamura.co.jp/