いちわん

~ 楽在一碗中 ~
桃山茶陶と「織部好み」展(畠山記念館)

桃山茶陶と「織部好み」展(畠山記念館)

畠山即翁の織部

桃山茶陶と織部好み展

畠山記念館にて「古田織部没後四百年記念 桃山茶陶と「織部好み」」展を拝見して参りました。
今年は古田織部没後400年ということで、複数の織部展が開催されています。

展示室に入りまして見渡しますと、伊賀花入 銘「からたち」、志野水指 銘「古岸」、割高台茶碗とずらりと名品が並びます。
順々に拝見しまして、織部が直接携わった道具は、織部所持の割高台茶碗のみではと気がつきました。他は織部の懐石道具はあるものの、織部の茶杓や書状もありません。畠山即翁であれば手に入れるチャンスはあるはずで、利休や遠州と比べると即翁はあまり織部を好まなかったのではと想像しました。

特に心に残った作品は次のとおりです。

伊賀花入 銘「からたち」
何度拝見しても力強さに一瞬たじろぎます。後ろに回ると鐶付の穴の跡があることに気がつき、よくこのような重い花入を掛けたものだと感心しました。

割高台茶碗
「からたち」に負けないようなお茶碗で、濃茶をいただいてみたくなります。

志野水指 銘「古岸」
これもまた堂々とした水指で、「からたち」や割高台茶碗に釣り合う風格があり、志野の長石釉がまぶしいくらいです。

織部手付向付、織部切り落とし四方形手鉢
懐石道具といえば畠山ということで、数多く並ぶ懐石道具の中で、織部の向付と手鉢に惹かれました。他にも黄瀬戸の向付や鼠志野の蓮文平鉢が素敵でした。

利休や遠州に加えて、織部が活躍したおかげで茶道具が楽しく華やかなものになったと、織部所縁の道具を拝見して改めて思いました。
そして「そうだろう、そうだろう」と満足そうにつぶやく織部の笑顔が浮かびました。

 

●展覧会情報

古田織部没後四百年記念 桃山茶陶と「織部好み」
畠山記念館(東京都港区)
2015年10月3日~2015年12月13日
http://www.ebara.co.jp/csr/hatakeyama/index.html
 
 




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