樂ご当代の茶道具
佐川美術館にて「樂吉左衞門 Modern 吉左衞門の茶陶」展を拝見してきました。
吉左衞門Xとは異なり、樂ご当代単独の個展で、拝見する機会が少ない、花入・水指・火入・蓋置・建水・ぐい呑等が展示されていました。
入口には、焼貫茶入「青縞」、焼貫黒樂茶碗「入渓」、焼貫水指が並んでいました。
どれもモノトーンの縞模様で侘びた印象です。
最初の展示室では水指と建水を中心に展示されており、特に水指の蓋とのコンビネーションに惹かれました。
淡い印象の呉須刷毛目広口水指には、木地の割蓋が合っていました。
もう一つの焼貫広口水指にはヘギ黒漆に留め金オレンジの蓋がくっきりとした刷毛目に合っていました。
次の展示室は、花入、ぐい呑、火入、蓋置等が展示されていました。
フランスのルビニヤックで木片を叩いて制作したフランス焼貫花入は、存在感があります。
ぐい呑は「千代久」という名前で、赤樂・れき釉等が展示されており、ご当代のぐい呑は非常に珍しいと思います。(公式会場に展覧されたのは初めてでは)
また赤樂三角火入、れき釉伽藍石蓋置も展示されていました。
茶碗は、雨に因んだ「雨滴に洸あつめて」シリーズと「牛犂」「田牛」、「斗牛」、「祭牛」といった牛シリーズが展示されていました。
牛シリーズは、木片で叩いたような跡があり、フランス花入に似た雰囲気もありました。
今回、さまざまな種類に渡ったご当代の茶道具が拝見できる良い機会でした。
また樂歴代が数多く制作された向付や鉢といった懐石道具を、ご当代ならばどのようなデザインで作られるかぜひ拝見してみたいと思いました。
展覧会情報
- 名称
- 樂吉左衞門 Modern 吉左衞門の茶陶
- 会場
- 佐川美術館(滋賀県守山市)
- 会期
- 2015年4月3日~2015年10月4日
- 公式サイト
- http://www.sagawa-artmuseum.or.jp/